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父がデイケアから戻ってきました。時間は午後4時頃。
デイケアではお風呂に入り、お弁当を食べて、カラオケをしたりしているようです。
通常なら、帰宅後の父は着替えて、果物を食べて、テレビタイムになります。
ですが、この日は違いました。
私は夕方、ぼんやりとYouTubeを眺めていたら、父と母が怒鳴り合う声が聞こえます。
面倒くさいから放っておきました。外は小雨です。寒いです。冬が近づいてきています。
ムーミンになって冬眠して、寒い冬をやり過ごしたいです。
母がぷりぷりしながら歩いてきました。で、言ったのです。
「お父さん屋根に登ろうとしてる」と。
夕方の小雨時に寒いおんもに出て、はしごに登って、屋根に登ると言っているのです。
寒いし濡れるし正気の沙汰ではないと思いました。
ちなみに、なぜ屋根に登ろうとしているかというと、我が家の屋根に穴が空いているからです。
修理する金はありません。
おそらく、デイケアの送迎の車から我が家の穴が空いた屋根を見てしまったのです。
かつては地主階級だった我が家。家は築100年超えの古民家。あちことガタが来ていて、床を歩くとダフダフとするし、雨漏りもするし、しかし、修理する金がないのです。
宝くじを大きく当てたいと神頼みを時々しますが、当たりません。
失語症の父を説得しようとする母は、父が何を言っているのかわからない&無謀なことをしようとしているこの2つが重なり、ブチギレ、「好きにせいばいっきゃ!(好きにしろ!)」と怒鳴りました。
これに驚いた父は、「なんで怒る◯✕△」と言いました。記号の部分は聞き取れない部分です。
父は手袋をはめ、外へ行き、草をかき分けます。壊れた屋根が落ちています。それを拾って、背負って屋根を修理しようという考えなのでしょうか。
しかし、物は草に覆われ、重いのです。なかなか動かせる代物ではありません。
この日はこれで無事に進展することなく、終了しました。
2日目。
父は屋根を修理しようと朝から土間で道具を調達しようとしているようです。
土間は物がたくさんあり、訳が分からないです。この日も母は怒鳴っています。
そして、物が多い乱雑な土間の整理へと発展します。主に整理をするのは母です。父は横で見ていたり、漁ったりしています。
乱雑なおかげで、はしご登りイベントは無事に回避できたのです。
普通の男性ならば、はしごは問題ないでしょうが、脳梗塞の後遺症で知能が落ちた父には無謀です。
髪の毛用の電気バリカンでヒゲを剃ろうとしたりするのです。この時は体が勝手に電気バリカンをひげ剃りと勘違いして、ヒゲを剃ろうとしているように見えました。
ちなみに、この日はスタバの新作の発売日です。
私は新作のフラペチーノの画像を見た瞬間、ときめいたのです。買いに行きたくなりましたし、朝からずっと屋根の話をしている父にもうんざりしていました。
しかし、この日の午後は父の言語のリハビリがあります。
スタバまでは遠いのですが、頑張って行くことにしました。屋根の話につきあわされるよりはマシです。
母にとってもリフレッシュになったようでした。
帰宅すると、お昼ご飯を用意しないといけない時間になっていました。
急いで、準備をしていると、父が穴の空いた屋根の真下に来ました。
ちょっとややこしいのですが、穴が空いているのは台所の隣の空間です。かつての台所でかまどがある場所になります。
そして、地面を見ているのです。何か落ちているのでしょうか。
同行した母が、「穴が空いてるのは上でしょ!」と言っています。
どうやら、穴を空いている屋根の箇所を真下から確認しに来たようです。でも、地面を見てしまっているのです。
もう訳が分からないですが、母の言葉でようやく穴を空いている箇所を見上げることができた父は、数回、出入りを繰り返しました。
そして、昼食を食べ、屋根の話を繰り返し、言語のリハビリへ。
帰宅後はトタン屋さんを調べるのだと言ったり、やっぱり自分が登ると主張したりしています。
言ったことをすぐに忘れますが、やりたいことややらなければいけないことは忘れません。
そのため、屋根の話をしたら、延々と続くことになります。
父の話に付き合う母はやはり疲れていてノイローゼのような顔をすることもあります。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
父とのエピソードは以下です。
3度の脳梗塞を患った父が朝5時から足を痛がり、病院に行った時の話 - 桜雨のおいしいブログ
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